生命科学情報(構造医学を含む)を
構医研の視点でピックアップし、紹介いたします。
【所長寄稿】震盪症の経過と対応における思い出深い症例について
構造医学の原理において、震盪症の基本的概念は機能的障害であって器質障害に至らないものと定義され、その考え方の一部は30余年の時を経て少しずつ認知されつつある。
臨床歴40年を通して、印象に残る震盪症3例を吉田所長が振り返る。
【書斎講義】構造医学の教養③
吉田所長の書斎から送る「構造医学の教養」最終講。
フランス哲学者にして阪大医学部で教鞭をとった澤瀉 久敬先生。その澤瀉先生が研究を重ねた哲学界の巨人・ノーベル文学賞受賞者アンリ=ベルクソン。
構造医学を遡上すると近現代の思想史に辿り着く。観れば正規講座がもっとわかる。
【所長寄稿】新たな情報技術の開始について思うこと
ミリ波暴露による危険性の検討が十分になされていないとして、欧州諸国やアメリカのサンフランシスコ市でも5G導入禁止等が導入される中、我が国では2020年より運用が開始されるという対照的な事態となっている。
高エネルギー物理の専門家として電磁気学に詳しい吉田所長にこの問題を尋ねた。
【特別寄稿】頭痛への本質的対応
日本構造医学研究所の研究によると非器質性頭痛ならびに時間変化にともなう器質変化をもたらした頭痛など、数千例にわたって観察し対処した結果、おおまかにその原因領域の同定に至った大半が頸性頭痛と判定され、それへの対処によって回復の転帰をとるものが70%を超えることが分かった。
【特別インタビュー】てんかんから紐解く生理冷却
群馬大による最近の研究成果で、てんかん発作における冷却の有効性が示唆された。構造医学創成期より生理冷却の重要性を訴え続けている吉田所長に、こうした最近の知見を踏まえて話を伺った。
構造医学は、プラズマ・界面物理学者である吉田勧持(理学博士・医学博士)が提唱した医学です。
例えば社会学と工学、経済学と心理学、比較文化学と宗教学など異なる専門分野をもつ研究者同士が交流し、知見が交わることで新たな視点や考え方が得られ学問が発展することがあり、境界学あるいは学際研究と言われます。
本国の歴史を見ると、1960年頃に専門分野の垣根を越えて交流することの意義が明確に意識されはじめたことで、様々な専門家を集めて研究を行う組織・機関が多数設立されました。
これらはシンクタンクと呼ばれ、1970年に最初の隆盛を迎えたことからシンクタンク元年とも名づけられています。
日本構造医学研究所はこうした時代の潮目に生まれました。
構造医学を学びたい、構造医学の評判を知りたいというお問合せは患者に限らず多くあります。
構造医学の考え方や理論体系は、専門書や一般書として早くから公開され、その臨床経過は日本構造医学会をはじめ様々な学会・研究会で発表され、その論文は2009年までは学会誌として一般書店でも販売されていました。
現在も国会図書館や各地の大学図書館はじめ様々なチャンネルで入手し読むことができ、国立研究開発法人科学技術振興機構にも正規論文として収載され、当事務局からも学会員に限らず一般販売可能です。
また、セミナーや市民講座等で、提唱者と直に話し学ぶこともできます。
構造医学とは何かを知ろうとするとき、これらの情報に触れることが、的確かつ最も労の少ない方法ですが、複数の専門分野をまたがる学際研究の宿命として、医学者には数理的過ぎ、理学者には実践的過ぎるきらいから、敬遠や誤解を生みやすいのも事実です。
演繹論による論理展開も、帰納論に基づく医学エビデンスの流れには理解されにくいものです。
一例を挙げれば、構造医学が、物理学者により創設された医学であることから、F=maに象徴される力学へのイメージとあいまって、人体構造を力学的・工学的に解析したもの、バイオメカニクスの類型分野であるかのように捉えられることがあります。
しかし実のところ、構造医学の「構造」とは、力学的・あるいは幾何学的構造ではなく、現代思想のひとつである「構造主義」に由来したものです。
よって構造医学を学際的な側面から定義する場合、「物理工学と医学を横断分野として人体を解析し、その包括的な手法として構造主義を用いるもの」となります。
「構造主義」とはソシュールの言語学を祖とし、1960年代、人類学者のレヴィ=ストロースによって普及したものであり、哲学、あるいは方法論に分類され、その内容は多数の専門書があり難解ですが、しかし提唱者である吉田勧持は、こうした定義と説明の連鎖を迂回し、医学の本質である「人の健康に資する」という目的を見定め、前述の日本構造医学研究所とともに付属臨床施設を開設し、40年近くにわたり臨床を続けてきました。
1Gという正常重力の場を基軸として構造医学が解き明かした命題は、多くの学際研究同様、時に従来の専門分野と干渉し、あるいは矛盾するパラダイム(説明体系)に遭遇することで、ある種の摩擦や誤解を避けられませんでした。
それは学際研究が推し進められる原動力でもありますが、構造医学が「完全な医学」あるいは「現代医学に反する医学」ではなく、「現代医学と伝統医学を補完する医学」であることは強調されるべきです。
構造医学は創設早期から様々な形で世に問いを投げかけ、その成果は整形外科領域や歯科領域のみならず二足歩行ロボットのアルゴリズムや人工関節等の理工学分野にも取り入れられ、2冊目の著作『構造医学の臨床』にある交通外傷の応力解析は法曹への提言として採用されています。
構造医学の治癒成果や理論的整合性に賛同を覚える臨床家も徐々に数を増していき、毀誉褒貶の歴史を越えて高い評判を集め、いまでは全国に1100名近い医学会員を擁する日本構造医学会が活動を続けています。
ひとりの物理学者が起草した構造医学は、安全性を最重視し、多数の臨床家による40年近い平癒成果の歴史を得て、向後も医療と福祉に貢献します。
日本構造医学会における一般演題の論文集です。
2010年の第15回学会以降、開催回ごとに毎年発刊しており、開催回によってはバックナンバーの取扱いもあります。
日本構造医学会への会員登録がない場合も購入可能(非会員誌価)ですので、興味のある方は事務局へお問い合わせください。
専門分野の垣根を超えた学問再構築の第一頁となることを目指し、日本構造医学会の機関誌として1995年に創刊され、2009年までの15年間・57巻にわたり発行された季刊誌です。
第14回までの日本構造医学会一般演題論文に加え、構造医学に関する様々な記事や付属臨床センターで奮闘する医師の診療録等を掲載しています。
構造医学の原理 ― ヒトの直立と歩行から ―
主な内容
物理学者としてNASA(米航空宇宙局)の研究にも関わった著者が、理論解析に基づいて、人体を構造的に研究する。人間の骨格、筋肉、内臓、体液を重力との関係から捉え、病的状態の発生メカニズムおよび治療法を体系づけた1冊。
構造医学の臨床
主な内容
「構造医学の原理」の応用としての臨床編。臨床応用された多くのデータを基に、各領域の疾患例からその構造医学的考え方で演繹し、難治性疾患に対するアプローチや整復手技、応用テクニックを概説する。
男女対照 生体の構造とデザイン ― いま明らかとなる人体の驚異 ―
著 : アレグザンダー・シアラス
邦訳・監修 : 吉田勧持(日本構造医学研究所所長 / 医学博士・理学博士)
主な内容
アナトミー、アートと最新のCG技術をドラマチックにコラボレート。誰も見たことがない、驚異のアーティスティックな人体透視アトラス。医療関係者、教育関係者、写真・美術家、学生から一般まで読者対象は広い。各図書館や待合室でも必備の1冊。
構造医学 ― 自然治癒のカギは重力にある! ―
吉田勧持著(日本構造医学研究所所長 / 医学博士・理学博士)
産学社 エンタプライズ
価格(消費税込) ¥1,980
主な目次
"不断の動き"それが生命の本質である。機構解析により医の分野に一つの基準の場を設け、生理的か非生理的かを判定して疾病の診断や臨床へ応用する例を展開。「構造医学」へのガイドブックとされる1冊。
『歩行』と『脳』
吉田勧持著(日本構造医学研究所所長 / 医学博士・理学博士)
産学社 エンタプライズ
価格(消費税込) ¥1,760
主な目次
毎日歩くことがいかに人間にとって生理的か―脳の形成や血圧、心拍数の化学的定義なそ既成概念を払拭する独自の理論を展開するなかで、痴呆症や高齢化問題など身近な社会問題へも鋭くメスを入れる。歩行の伝道師が、いま核心を語る!