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学から術への道 軟組織の対応と処置 ―症例 右アキレス腱完全断裂

学から術への道 軟組織の対応と処置 ―症例 右アキレス腱完全断裂

2019.03.25

アキレス腱完全断裂は一般的な治療として観血的治療(手術)と保存的治療に分けられる。前者は腱接合の確実性はあるものの二次的障害や合併症の危険性が伴い、後者は確実性と危険性が逆転することに対し著者はジレンマを抱えていた。

患者は右アキレス腱を断裂しており、離断部は約4cmであった。手術しかないとの宣告を受け、日本構造医学研究所付属臨床医療センターに転医したが、著者の経験から見ても手術は免れず再転医になると想定された。
しかし実際は断裂・離開した断端部の無血接合術により、受傷後2ヵ月でギプス・松葉杖を使用しない安定歩行が可能なレベルまで回復することが出来た。
診療内容は患部の氷冷却や右非荷重の処置の他、延ローラーを使用したレオロジー特性の利用が挙げられる。
ここでは患者の疾病学的治癒(完治)までの流れと、著者がレオロジー特性の観察から見出した道具の本質と処方における心得を紹介する。
< 出典 > 著 者:奥村 剛(日本構造医学研究所付属臨床医療センター・熊本県)
掲載誌:日本構造医学会編:季刊構造医学 第39号,2005.6.10
(所属・肩書等は発表当時)

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