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不明熱(成人スチィル病の疑い)を患って‐構造医学からのアプローチ・臨床報告‐

不明熱(成人スチィル病の疑い)を患って‐構造医学からのアプローチ・臨床報告‐

2019.05.28

成人スティル病とは国が指定する難病疾患の一つである。病因は未定であり、ウイルスを含む様々な病原体との関連を述べた症例報告が多数あるが、有力候補はない。
慢性の関節炎や移動性の皮疹、弛張熱などを特徴とする疾患であり、長期に渡るステロイドの内服による治療となるため副作用に注意を要する。平癒ではなく寛解と再燃を繰り返し、現在もなお根治療法は確立されていない。

本稿の著者は医療者ではなく、斎場での収骨や炉内清掃業務経験のある患者本人であり、第12回日本構造医学会で報告されたものである。
著者本人は38℃を超える慢性的な高熱、関節のこわばり、下血、全身に及ぶ皮膚炎など様々な症状に苛まれ続けた。
諸症状の発症から2週間後に受診した大学病院では、成人スティル病の疑いで入院を強く迫られることとなったが、病名確定のための諸検査による医原病の誘発を忌避し、定期検査のみとした。
以降、構造医学を学んでいる医療機関での治療を開始した。

小康期も欠かさずに治療を続けた結果、約3年を経て寛解へと至った。
『「難病」と称されている病態も、構造医学からのアプローチによって、本態の解明と治癒の方向性を明らかにしうるのだ、ということを実証できえたのでは』と結んでいる。

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