演題一覧
- イヌ科褥瘡の症例報告 -『湿潤療法』と『リコニン併用』の比較-
- 大阪府 柔道整復師 坂本椋一
- ウォーキング教室を10年間実施した中で思うところ
- 東京都 柔道整復師 神田大輔
- 診療所の円滑な継続運営 -経営原理とコミュニケーションの流動活用-
- 東京都 歯科衛生士 長谷川麻美
- 弾發指処方転子使用症例からの考察
- 埼玉県 柔道整復師 玉村裕美
- 構造医学を援用した矯正歯科臨床の新たな展開
- 東京都 歯科医師 新藤勝之
- 菅沼病院リハビリテーション科で構造医学的に診療した内科患者の症例
- 長野県 医師 菅沼加奈子
- 硬膜脳髄反射における検証および考察2
- 日本構造医学研究所付属臨床施設 柔道整復師 市原周篤
- 構造医学を学んで -リウマチ性多発性筋痛症の一症例報告-
- 埼玉県 柔道整復師 松尾浩嗣
- 変形性膝関節症の一症例報告
- 千葉県 柔道整復師 加藤弘大
- <ポスタープレゼンテーション> 上位頚椎への牽引作用を導かずに整復と冷却を同時に施す手段の考察-連綿と継承される脊椎牽引両方に対する疑念から-
- 愛知県 柔道整復師 根橋豊光
第26回東京学術会議に提出された10題の演題はいずれも意欲に溢れ探求心に満ちたものであり、そのタイトルを一瞥しても今から10月31日の発表を期待せずにはいられない。
今大会の特色は経営者としての視点が明確に包まれた発表が複数あること、また3名の女性の登壇が予定されることであろうか。
そして第22回東京学会で共有された甘草エキスの外用途に関する研究は、その有効性の検証が本年も引き継がれている。
10数年前に比べ格段に構造医学療具が実現し、診療の組み立てにおいて有効な道具立てが充実する中、近年の学会で繰り返し強調されてきたテーマに、たゆまぬ内省と、「対・ヒト」という医の原則の重要性があった。その精神の系譜は、今回の演題の中にも見出すことができる。
また長年構造医学を学ぶ歯科医師が迎えた、矯正歯科の新たな局面の報告が予定され、診療上の創意工夫を形にする想像以上の苦難の道のりに挑戦を続けた発表もある。
依然として診療と経営において様々な問題が山積しており、立場に応じた葛藤を抱えて日夜臨床に勤めておられることだろう。増してコロナ禍にあえぐ社会において、今大会の演題には、そうした混迷に対する多くのヒントが隠されている。
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第26回 日本構造医学会 東京学術会議 開催のご挨拶 第26回 日本構造医学会 学会長 小川 宏
第26回日本構造医学学会東京学術会議を開催するにあたって一言ご挨拶を申し上げます。
振り返れば日本構造医学会が発足した1995年の神戸淡路大震災に始まり、中越、2011年の東日本大震災さらには熊本、北海道と続けざまの震災、追い打ちをかけるかの豪雨、洪水などの自然災害・人的災害にみまわれてきました。ただでさえ人々の不安感が増大するなかで一昨年の末の新型コロナウィルスの世界的パンデミックに襲われている状況にあります。
今まさに社会経済的に安住してきた中で、その生活基盤が揺さぶられ、三密に象徴されるように人間の本来性の集団欲すら制限され、人間同士の関係すら打ち切られようとしています。また感染予防の見地から行動様式が制限され、つまり社会的行動抑制のために社会がもたらす社会的フレイルが子供から老人に至るまで蔓延しつつあります。
そこにまた人々の不安感、不信感が精神的ストレスとなって加わり、感染予防にもっとも大きな因子である自然免疫力の低下が起きてしまいます。
このような状況の中で増々構造医学で学ぶところの生体機構学と生活環境学、あるいは現代医学と伝統医学、さらには処置(狭義の治療)と養生学(法)、さらには科学と生命哲学のそれらの統合がより一層、鮮明になってきたと思われます。
今こそ、構造医学を学び研鑽を積み重ねていかなればという新たな決意の元、学会会員の皆様とともに構造医学の発展に勤めてまいりたいと思います。
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第26回 日本構造医学会 東京学術会議によせて 日本構造医学会 理事長 吉田 勧持
今回の大会も昨年同様コロナ禍の中にあって開催されることとなりました。
学会長が述べられているとおり、本学会は二十数余年の間、各種災害との接点をもって挙行されてまいりました。
本当に人災天災を問わず、我々が生息しているこの地球環境において、まだまだ解決できない問題が山積していることを思い知らされているところです。
顧みれば、構造医学原理の第一章で述べた、宇宙を支配するとされる4つの相互作用や当時まだ発見されていなかったニュートリノの予測など、構造医学は素粒子や量子の分野あるいはマクロに構成された人や宇宙といった物質的振舞いの理解ならびに人特有の心の作用(精神作用)がもたらす生理失調などについて、臨床の世界から観察される事実を基に、一歩一歩その理解に努めてまいりました。
そのことは、地球に存在するすべての生命体や人の生き方や未来への繋がりを憂慮することから始まり、人の幸せや平和といった大きな目標を掲げての歩みに他ならなかったのです。
今回の学会では、実際の臨床の場から多くの発見や発表がなされると思いますが、この大会だけのものとせず、持ち帰って皆さまが深く考え行動するその礎となることを祈念して、私の挨拶とかえます。
なお、発表される皆様、学会長をはじめとした大会委員の皆様には、多くのお骨折りを頂き感謝に堪えません。
また、この場を提供くださった学士会館関係者の皆様にも、深く感謝致します。
構造医学とは
構造医学は、生命現象がそのはじまりから終わりまで1Gという重力場(系)の中で営まれることを基軸に、物理学者・吉田勧持が提唱した学問で、物理・工学と現代・伝統医学を用いて人体を統合的に捉えた医学です。細分分化が著しい医学分野において、ひとりの物理学者が人体の統合に向け一石を投じたインパクトは大きく、80年代初頭の創成以来急速に全国に広まりました。構造医学では「不断の動き」を生命の本質と捉えます。そして生理歩行・生理冷却・生体潤滑を基本に、顕病の平癒だけでなく潜病の発見および平癒、未病の原因排除を目的とし、診断や治療を行います。
まず生理潤滑について。重たいタンスは力いっぱい押さないと動きませんが、軽いタンスは地面との摩擦が小さいこともあり少ない力で動きます。しかし日本構造医学研究所の実験では重ねた物体の合わせ面に潤滑剤を塗って滑らせた場合に、物体間に近接力(荷重)をかけた状態の方が、荷重のない状態より滑りやすいことがわかっています。先ほどのタンスと真逆の現象です。
我々の身体の中で起きるのは主に生理潤滑の方で、単純化のため骨格だけを見ても、舌骨を除く200を超えるすべての骨は他の骨と関節で連結し動いています。関節は関節液を内包しており、動作のたびに骨同士が滑ることでスムーズな動きを支えています。実際は骨格のみならず筋膜・筋繊維間など生体内で絶えず滑り現象が起きていますが、この動きに一定の荷重条件(1Gに基づく)を要するという事実は見落とされがちです。
これだけではなかなか診断や治療に活かしにくいと思われるかもしれません。
さて、力学的にはその適切な荷重条件を欠く状態が人体には時に起こります。構造医学ではそれを非荷重と呼び、結果として生理潤滑を欠いた状態、の場合があります。このように生理潤滑と荷重の考えは診断や治療の基軸になります。では失った生理潤滑をいかに取り戻すか、これは次の生理歩行にもかかわってきます。
発生の段階から生命に基軸を与え、生命を生命たらしめたのが重力とすれば、ヒトをヒトたらしめたものは二足歩行であり、機械工学に精通する吉田勧持氏は、二足歩行の動きの中に寛骨フライホイール(はずみ車)や恥骨結合部のクランク機構(ウェイトベアリング)といった特徴的な構造を見出しました。それらの賜物である二足歩行は極めて奥深く、構造医学ではこれを生理歩行と呼び、ウォーキングブーム以前から市民講演の活動や書籍を通じて普及に努めてきました。さて生理歩行の意義は呼吸循環器系、泌尿器系、精神安定、造骨と造血、免疫細胞を作り出すなど枚挙にいとまがありません。先述の生理潤滑は、この生理歩行を通じて基本的に達成され回復されるよう、私たちの身体は作られています。このように生理歩行は構造医学において最も重要で基本的な考え方であり、薬理的、外科的介入を最小限に抑え、患者自身の生理性により未病にとどめ、あるいは平癒に導く基軸としています。
最後に生理冷却については、昔から「熱を取る」と表されているように、怪我などの炎症や欝熱に対しその熱を取ることを指します。怪我の急性期は局所に負担が掛かり、炎症反応を起こしている状態です。膨張や発熱、疼痛は血流量の増加によるものですが、患部に対し冷却を行うことで増加した血流量を定常に戻し、熱を取ることで諸症状を抑えます。これは「何℃まで下げる」といった温度を目標とした考え方とは異なる概念です。また、これらメカニズムにおいて作動物質性の研究に多くの力が割かれていますが、構造医学は目に見えない(同定対象とならない)”熱”を相手取ることで、様々な診断や治療上の基礎を得ています。
生理歩行・生理冷却・生理潤滑の3本の矢はそれぞれが独立したものではなく、人体という実在を通して密接に連携しています。その目を見張る統合と詳細は構造医学の成書や正規セミナーを学ばれてください。
日本構造医学会とは
構造医学創設から40年を超え、のべ受講者は2万人以上。発足26年目となる日本構造医学会の会員は1100人を数えます。
構造医学を学び活躍する全国の臨床家がどのようにして診療に勤め、患者の心身と向き合い、また医療者として葛藤を抱え、経営に臨んでいるか―日本構造医学会ではその生の実体験が議論され、共有されています。
第26回日本構造医学会学術会議は10月31日(日)、東京学士会館にて開催。奮ってご参加ください。
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タイムテーブル
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会場情報
参加申込
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会員
振込票を8月中旬にお送りしますので、2021年10月20日(水)15:00までに納入ください。
登録維持費が未納の方はあわせて納入ください。
直接お振り込みの場合は下記の口座へお振り込みをお願い致します。- 銀行名
- ゆうちょ銀行
- 受取人口座
- 日本構造医学会(ニホンコウゾウイガクカイ)
- 口座番号
- (ゆうちょ銀行からの振込)01700-2-99875
(他行から振込)ゆうちょ銀行 179店 当座 0099875
まだ会員登録がお済みではない方はこちら
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ゲスト
医学会の会員登録を行わずに会議に参加できます。
申し込みは1回限り。
※医学会員の方はこのフォームから申し込まないで下さい。- ゲスト参加 一般
- 17,050円(税込)
- ゲスト参加 学生
- 5,500円(税込)
注意事項
○ゲスト参加は事前申込のみ、また原則決済後の取消による払い戻しは出来ません。
○ゲスト参加は一般・学生問わずお一人様1回限りです。
○学生の場合は学生証のコピーが必要です。
○参加費は論文集代金1冊分が含まれています。