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40m落下事故|高エネルギー外傷における連続氷冷法の体験

40m落下事故|高エネルギー外傷における連続氷冷法の体験

2019.01.30

地上約40mの断崖から9歳男児が落下した。すぐさま病院に搬送された男児には通常処置に加え、独自に85時間に及ぶ頭頚部への連続氷冷が行われた。頭頚部から発生する熱量はすさまじく、20リットルの氷が4~5時間でみるみる溶け去ってゆく。
その氷冷を施したのは麻酔認定医であり、落下した男児自身の父であった。
現代西洋医学では、受傷後70時間以上経過すると特に処置方法はないため、自宅療養に切り替え生理冷却が続けられた。構医研付属臨床所での治療も受けた。3か月後、男児は小学校へ通学できるようになり、7か月後には空手の練習に復帰した。
息子が落下事故に見舞われ、被治療者側の立場となった医師自ら、著明回復に至った体験を綴る。
< 出典 > 著 者:瀬戸 利一(麻酔認定医・神奈川県)
掲載誌:日本構造医学会編:季刊構造医学 第5号,1996.12.10
(所属・肩書等は発表当時)

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