人工股関節スパイラルステムのデザイン
2017.12.06
前回掲載した卵のかたちについての考察は、その後意外な形で発展します。
卵の矢状面を垂直にねじりながら積層すると、長管骨髄腔形状に極めて似たものとなることがわかりました。一方で、現在使用されている人工股関節骨頭並びにステムは直線的な形に設計されており、前述の髄腔形状と適合しないことから、さまざまな不都合が生じています。本論文は数学的な解析結果を医学・特に整形外科領域での人工関節・人工骨頭の設計に活かす第一歩として書かれ、海外の学会で高い評価を得ました。
秋田元研究員が早世したのは、こうした志半ばのことでした。
本稿で、秋田論文(全4回)の連載を終了します。構医ジャーナルでは、今後も有用な知見を随時掲載していきます。
< 論文情報 >
著 者:秋田 浩(整形外科医)(平成18年物故、日本構造医学研究所 元研究員(1991-1992))ほか10名
投稿誌:バイオメカニズム学会誌Vol. 15(2000)P255-264
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