卵のかたちの認識1 : トーラス(円環面)の断面に関する研究
2017.11.29
20年以上前、日本構造医学研究所にて。
「……卵の大きさの違いはなぜ様々なのでしょうか」(秋田研究員・当時)
「孵化までの時間や熱量発散の違いなど様々な要因があるだろう。古生物学者の指摘によれば、卵の転がり面積と、時間あたりに太陽から受ける日照エネルギー、そして孵化し成長したときの大きさとの関係が、卵の大きさの一因という話もある」(吉田勧持所長)
こんなやりとりをきっかけに、秋田元研究員の卵の研究がはじまりました。本質的に卵の形態をなす数学的な原基形状とは何かについて対話を重ね、NTTの商標マークに類似した図形に辿り着きました。それは動物の胚とも酷似しています。この奇妙な一致に不思議を感じたことが、数学的アプローチのはじまりでした。
こうした基礎的・本質的研究は、「人工骨頭とステムのリモデリング」という意外な方向に帰着します。そのことは次回、秋田論文最後の更新にて説明します。
< 論文情報 >
著 者:秋田 浩(整形外科医)(平成18年物故)
日本構造医学研究所 元研究員(1991-1992)
投稿誌:バイオメカニズム学会誌Vol.14(1998)P161-171
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