日本構造医学会は、2023年10月15日、第28回 日本構造医学会 東京学術会議を学士会館にて開催致しました。当日は150名の参加者が一堂に会し、原口学会長のご挨拶を皮切りに、7名の演題が発表されました。
また今年は林田理事による教育講演「足部の捻挫とその背景について」も行われました。質疑応答・座長カンファレンスでは真剣に考えあぐねる参加者の姿が目立った印象で、中には予め論文を読みこなし、質問をしたためて参加されている方々も見受けられ、日本構造医学会会員の熱意と探求心には舌を巻きました。終盤では吉田理事長のサプライズ講演があり、「WBの解析と歩行について」をメインテーマとしつつも話は物理三体問題にまで及びました。
さて学士会館には、2007年の第12回東京学術会議から16年間にわたり通算9回の学会開催でお世話になっておりましたが、このたび再開発事業計画が進み、本会館での学会実施はやむなく今年が最後となりますことに、学会事務局も胸を痛めております。学士会館内に漂う質実で学術的な雰囲気は、日本構造医学会の気風とどこか親和性があり、思わず襟を正して足を踏み入れた日のことが偲ばれます。日本構造医学会の年輪がようやく28本目を刻むかたわら、100年の歴史を宿す学士会館の閉館を予告され、言葉になりませんが、それでもわたくしども日本構造医学会は次年に向け新たな年輪を刻む所存でございます。再来年以降の関東地区会場の候補につきまして、学会理事の方々より既にいくつかご提案を頂いており、日本構造医学会の運営はつねづね皆様の温かいご支援の賜物であると改めて噛みしめている次第です。
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3度の心肺蘇生体験に実験・知見を絡め、一般的な心肺蘇生法の課題点について論じている。
頭蓋と脳の隙間に関連しうる要素を挙げ、その隙間が全身に及ぼす影響について考察している。
砂糖が及ぼす問題への理解に際し、その歴史的背景や倫理観に触れることの重要性を説いている。
当装置を処方した経過を報告し、根本的改善には発育過程の良い習慣が関与すると示唆している。
痛みで走れないランナーをゼロにすべく、ランナーの体と心を変える条件について展開している。
歩行機能回復を望めなかった実母を快方へ導き、生物の本質が抗重力性であると再認識している。
呼吸と姿勢の善し悪しが健康寿命を左右する事に着目し、座禅・瞑想の観点から紐解いている。
わたしたちが日ごろ何気なく歩いている間、足部では絶えず精緻な機構が働いていると知り、感嘆が漏れる。林田氏は、臨床現場で足部捻挫を扱うに際し、起きてしまった外傷として対処することはもとより、その個体が捻挫発生前から持っていた傾向性を視野に入れて対応することが、再発防止の観点からも有効であると説いている。また同氏の講演を通して、「診療者も患者さんから教わることがあり、それを丁寧に紐解くことが大切である。早まらず、慎重に診断する姿勢が肝要である。」とのメッセージが感じ取られ、我々がこのアプローチから学ぶべきことは多い。
講演時間の一部は、参加者全員でのWB体操にも割かれた。
日常に戻っても、振り返りたいエッセンスの詰まったひと時であった。
今年は新型コロナウイルス感染症の位置づけが5類に移行したとはいえ、その他ウイルス感染症流行の懸念も高まりつつあった中、おかげさまでつつがなく学術会議を実施することができました。当日はお足元の悪い中、会場に足を運んでくださった皆様はもちろんのこと、万全を期して大会長を務めてくださった原口氏、副学会長の林氏、実行委員ならびに座長委員の皆様のご尽力に心よりお礼申し上げます。
安心安全な大会遂行に尽力賜った役員の皆様の功を労い、末筆ながら、ここに役員の皆様のお名前を順不同にて記します。
日本構造医学会事務局より篤く感謝申し上げます。
原口 誠
林 康夫
殿川 将吾