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換気障害と胸郭過拡張に関する構造医学解析

換気障害と胸郭過拡張に関する構造医学解析

(要旨) 換気障害について、慢性、拘束性、閉塞性換気障害等があり、都市部はなぜか慢性換気障害が多いが原因はわかっていない。
胸郭過拡張が換気能に悪影響をもたらすことは経験的に理解されるが、ここではそのメカニズムを説明する。
肺胞は一人当たり約3億個と言われ、一つずつは非常に小さい。1個の肺胞が1回の呼吸で約10億個の酸素分子を捕まえる。
さて、胸郭過拡張が起きると、肺胞1個ずつの容積が増える。
肺胞の容積が増えると、容積当たりの表面積は逆に小さくなる。
つまり1換気当たりに捕まえる酸素分子数が減る=換気能が低下する。この状態が継続した際の病理は、過伸展があった場合エラスティンの疎化が起こり、硬化現象・次いで硝子化現象が生じ拘束性病変につながる。
また、肺胞の容積が増えることで肺胞表面の張力(テンション)は増大するが、このテンションが増していくと複数の肺胞が接触し界面摩擦力が上昇して肺胞が溶解、肺胞同士が結合して肺胞の数が減少し、肺胞一つずつの容積は増すことになるから、換気能が低下する。これを肺気腫という。
以上は胸郭過拡張が換気能低下をもたらすメカニズムであり、組織学的確認においては走査電子顕微鏡の登場を待たなければならなかったが、物理学的・解剖学的には予見されたことであった。

日本構造医学研究所 吉田勧持
平成30年7月 地球環境問題医療者会議 第3講より

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