構医ジャーナルは構医研の研究知見だけでなく、最新の生命科学的成果や知見もご案内しています。

基本動作の改善からQOL向上を認めたパーキンソン病の一症例

基本動作の改善からQOL向上を認めたパーキンソン病の一症例

2019.08.21

パーキンソン病の治療は薬物療法の他、外科治療、運動療法(リハビリテーション)に分けられる。治療の基本は薬物療法だが、運動療法の早期導入による廃用性症候群の予防が重要で効果的だと言われている。
本症例は発症後約20年経過しているパーキンソン病患者の運動療法に構造医学を導入した結果を報告したものである。

患者は70代の女性で、継続的な薬物治療を受けている。リハビリテーションは著者の下に訪れる2年前から始めていた。
著者による初診時の所見では、ホーン・ヤールの重症度分類 Ⅳ度、右半身に比較的強い固縮、体幹の後湾、骨盤の後傾などが見受けられた。基本動作やADL(日常生活動作)にも支障が出ている状態だった。
構造医学から学んだことを軸とし、重力に適応できる身体つくりを目標に生理潤滑(生体潤滑)の獲得、姿勢・歩行・冷却指導を行ったところ、体幹の後湾の軽減、全体的な動作スピードの上昇がみられた。1年後には車椅子で来院していた患者が杖歩行をおこなうまで回復し、3年後にはADLの改善も見られた。
一連の基本動作の回復は、運動性の向上や活動量の増加だけでなく、患者の自信回復と不安感の軽減につながり、QOLや自己効力感の向上に結び付いたと著者は結んでいる。

< 出典 > 著 者:佐藤 文在(柔道整復師・理学療法士)、山本 泰司(理学療法士)
掲載誌:日本構造医学会編:季刊構造医学 第57号,2009.12.10

< 論文著作権はすべて各論文著者または出典元に帰属いたします。 >