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【特別寄稿】頭痛への本質的対応

【特別寄稿】頭痛への本質的対応

2019.12.24

構医ジャーナル特別寄稿

頭痛への本質的対応

近年頭痛が多様な形で存在し、不定愁訴群としての頭痛(原因不明性頭痛)は、定型の分類:片頭痛・緊張性頭痛・群発性頭痛の規範域を超えて、相互に干渉する例が非常に多くみられるようになってきた。
この一因として、多剤の服用による耐性頭痛も関与していると考えられている。当研究所では40年近くにわたり非器質性頭痛ならびに時間変化にともなう器質変化をもたらした頭痛など、数千例にわたって観察し対処をしてきたが、おおまかにその原因領域の同定に至ったものは、その大半が頸性頭痛と判定され、それへの対処によって回復の転帰をとるものが70%を超えることが判った。

このことは紀元前15世紀、古代ローマにおいていわゆる「アトラスの苦悩」と称される現象と思われる事項であろう。それは、体の上に地球または宇宙という大きな重しを背負い、そのアンバランスによって引き起こされる苦悩を指しており、古代人の驚愕すべき観察力を感じずにはおれない。

さらに、ヨーロッパにおけるバイオウェザー(気象生理学)の中で表現されている低気圧群による頭痛の発症、低酸素領域における頭痛の発症、気圧変動性の高い地域における頭痛など、様々な気象要件と原因不明頭痛との間にも、非常に密接な関係がみられることが判ってきた。

また、素粒子物理学や量子物理学・界面物理学の立場で考えると、このような反応系は電磁気学的反応や熱力学的反応系を携えた反応であって、とりわけ中性子のふるまい、陽子のふるまい、電子を含むレプトン系のふるまいは、脂質タンパクでできている脳および脳補完組織また素子としてのニューロンシステムに大きく影響を与えていると考えられる。この点、当研究所では理論的考察を加え、そして非生物実験を経て辿り着いた解は、レプトン挙動の問題が非常に大きく関わっており、この点に着目して対処の方法論の有力候補を確定することが出来たことは幸いであった。

令和元年12月
日本構造医学研究所 所長 吉田勧持

日本構造医学研究所所長

吉田 勧持 (理博・医博)

専門はプラズマ・界面物理・臨床解剖学。主に物理・工学・医学を学際領域とした構造医学を創設し、40年近く臨床を続ける傍ら、数々の研究を行う。教育活動にも熱意を持って当たっており、80年代より構造医学の正規講座ではのべ2万人近くを指導する。 1148名の学会員を擁する日本構造医学会理事長。空手道8段。