構医研の研究知見をご紹介いたします。

ヒト前腕骨の形態と機能 : 単一の幾何学的概念(円錐面上の測地線)を用いて行った,生物の形態および機能設計

ヒト前腕骨の形態と機能 : 単一の幾何学的概念(円錐面上の測地線)を用いて行った,生物の形態および機能設計

構造医学の「構造」とは、単に幾何学的構造や力学的構造に立脚した人体解析を意味するものではありませんが、物理・工学と医学の接点はひとつの重要な視座でした。
ここで紹介する論文は、日本構造医学研究所の元所員であり整形外科医でもあった故・秋田浩研究員による、ヒト前腕骨の形態と機能に関する幾何学的アプローチです。
一見してわかるように、数学を駆使した難解な解析論となっています。
これほどまでに数学的なものとなったのはなぜでしょうか?
本研究は、肘関節骨折に関わる固定法(ピンニング)施行に関する構医研所長の指摘から始まりました。
すなわち前腕骨並びに上腕骨の相対的関係がピンニング後に転位しやすく、適切なピンニングには前腕骨回旋主軸にまつわる物理的・幾何学的理解が必須との示唆が、研究の端緒となっています。
内容は難解ですが、生物の形態と機能の「双方向性」に関する秋田研究員の主張は、いまだ新鮮な問いを投げかけています。

今回より全4回にわたり、志半ばに早世した秋田浩元研究員の研究を掲載します。

<論文情報> 著 者:秋田 浩(整形外科医)(平成18年物故)
日本構造医学研究所 元研究員(1991-1992)
投稿誌:バイオメカニズム学会誌Vol. 16 (2002) P 267-274